障害を持つ方が
その人らしく生活をするために、
作業を通して支える
人は基本的な動作のどれかひとつだけを行っているわけではありません。いくつかの基本的な動作を組み合わせて、トイレに行く、着替える、食事をする、キーボードを打つなどの動作を行っています。その人の実際の生活の場面で、その動作を困難にしている環境的な原因にも着目しながら、能力の回復・維持・改善をめざします。また、地域活動や就学就労など、障害を持つ人が社会の中でともに生きるために必要な能力の回復・維持・改善をめざします。
身体障害を持つ人に対して、日常的な身の回りの活動(食事・入浴など)や社会的活動(交流・仕事など)を回復するための訓練を行うほか、精神障害を持つ人の自立や社会復帰を支援します。障害の特性やその人の好みにより、① 食事などの日常動作 ② 木工・絵画などの創作 ③ 遊び ④ スポーツなどを用いるほか、自助具の開発や住宅環境の改善を行います。
障害を持つ人が日常生活や社会生活をスムーズに送るための複合的な支援を行う作業療法は、身体に障害のある人だけでなく、精神障害や発達障害(自閉症・学習障害など)の人も対象にしています。対象者がその人らしい生活を獲得するために、医療機関にとどまらず、保健・福祉・教育などの領域を含めた身近な地域の場で中心的な役割を果たすことが期待されています。