患者さんの運動機能を回復するため、
さまざまな手法でアプローチ
人は、関節を曲げる・伸ばす・ひねるなどの機能を使って、寝返りをうつ、上体を起こす、立つ、歩く、持つなどの動作を行います。一見何気ないように見えるこれらの動作は、生活の中で、より複雑なさまざまな動作を行うための基本になっているものです。病気、けが、生まれつきなどが原因で、こうした基本的な動作が困難になっている人に対して、その障害をもたらしている身体的な原因に着目して、能力の回復・維持・改善をめざします。
けがや病気などで身体機能に障害を持つ人に対して、基本的動作能力(起きる・座る・立つ・歩くなど)の回復を図ります。障害や後遺症がある「部位」に注目して、① 運動療法(治療体操など) ② 物理療法(熱・水・光・電気・徒手) ③ 日常生活動作練習を実施するほか、義足・装具の活用や生活環境の改善を行います。
理学療法の対象は、障害を持つ人ばかりでなく、入院で体力が低下した人、高齢者など今後障害が出ると予測される人、日常的に身体を酷使するスポーツ選手など幅広く、近年は、障害の予防にも取り組むようになっています。さらに、呼吸循環器系の病気や糖尿病などが原因の歩行困難や持久力低下が増えており、理学療法士も高度な医療知識を持つことが望まれています。