卒業生インタビュー
作業療法士
病気を発症した直後の患者様を専門的に治療する急性期病院に勤務し2年目になります。急患や救急車で運ばれてきたさまざまな症状の患者様が入院しています。私は現在「脳血管チーム」に所属し、脳梗塞や脳出血などの患者様のリハビリテーションを専門に担当しています。重症な患者様も多く、ベッドで寝ている状態から、座る、歩く、着替えるなどさまざまな日常生活動作の回復をめざして医師や看護師、理学療法士など多くの医療従事者と協力しながらサポートしています。患者様が徐々に回復し、笑顔で退院される姿をみると自分のことのように嬉しいですし、深い達成感を覚えます。そんな時に、作業療法士になって良かったとつくづく感じます。
私は中国の浙江(せっこう)省の出身です。中国でリハビリ療法士として1年間病院で働いていました。「リハビリ療法士」というのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3つが合わさった資格です。当時、私の勤務していた病院に、青年海外協力隊の一員として日本の理学療法士が派遣されてきました。彼女と交流していくなかで、子どもの頃から持っていた日本文化に対する興味がいっそう深まり、また、もっと専門的にリハビリテーションの勉強をしてみたいと思うようになりました。東京の日本語学校で日本語を一年半勉強した後に、国際医療福祉大学に進学しました。国際医療福祉大学は中国でも名の知れた大学なので、迷うことはありませんでした。
私の場合は、日本語の勉強も同時に進めていましたので、取らなくてはいけない単位が多く、勉強は大変でした。しかし、日本人の友人たちは快く私を迎えてくれましたし、先生方も熱心かつ丁寧に指導してくれましたので、なんとか最後まで頑張りとおすことができました。授業でとくに印象に残っているのは「関連職種連携ワーク」です。薬剤師や診療放射線技師といった、それまではほとんど知らなかった他の医療職をめざす学生の考え方や視点を学ぶことができ、とても有意義な時間でした。また、先生を含めた食事会がたびたび催されたので、仲間との交流を深めることができました。日本に行く決断をして良かったと心から思っています。
作業療法士というのは社会がどんなに進歩しても必要とされる仕事なんです。医療、福祉、教育などさまざまな分野で働けることが作業療法士の魅力。将来的には国際性を持った作業療法士になりたいです。多忙な勤務のなかにあっても英語の勉強は続けており、大学院進学や海外留学も視野に入れています。
※2019年度取材