国際医療福祉大学

教員インタビュー

社会における自分の役割を考える
医療者に育って欲しい。
小田原保健医療学部 看護学科
鳥本 靖子准教授

研究内容 About a study

主な研究について

『高齢期と健康と生活』を
研究することで、
社会づくりに貢献。

研究しているのは、『個人や家族の高齢期の健康と生活に対する認識』です。高齢者の人口が一層増加し、日常生活に支援を必要とする人々が増える将来に備えて、人々の暮らしを支える『地域包括ケアシステム』という社会の仕組みづくりをめざして、各自治体が色んな取り組みを行っています。

研究する上で、楽しいこと、
印象に残っていること

研究データのとらえ方は十人十色。
多様な意見に耳を傾けることが
新しい知識を作りだす

データ解析は大変ですが、結果に対するとらえ方、方向性を探るディスカッションは興味深いですね。学生時代に、違う専門分野の研究者の意見を聞いて、思いがけない考え方や気づきを得たことが大変面白く、研究の面白さと奥深さを知り、研究の世界に入りました。今の研究テーマは、調査対象者の方と直接お会いする機会が多かったのですが、その際、最初は質問票に従って一問一答でお話を伺っていたのに、質問をきっかけに次々と想いを語られたり、その後の郵送式の追加のアンケート調査の時には空きスペースにぎっしりと意見を書いて返送されてきたりしたことがありました。自分の研究課題でとりあげた対象者の方々の想いに触れると、人々が直面している問題を研究結果として社会に送り出すという研究者としての使命感が強くなるのを感じます。

研究する上で、大変なこと

自分の研究を、
自分が一番信じていくこと。

研究は多くの方の協力のもと成り立っていますし、間接的にでも社会に役立つように結果を出していくことは大切だと考えています。しかし、研究結果によっては、自分が考えていた仮説が成立しなかったり、発表しても他者に理解が得られない時もあり、自分の中で研究の意義がゆらぐこともあります。そんなときは、研究仲間に相談したり、意見を求めて、議論を重ね、違う分析を試みたりして、専門分野においてあるいは社会において自分の研究はどういう位置づけになるのかを考え直したりしています。

今後の展望

地域社会での生活に目を向け、
自治体の取り組みや社会のあり方を考えていく

人は誰もが歳を取り、少しずつ心身が衰えて、日常生活の手助け、つまり「介護」が必要となります。介護は、手助けをする人とされる人の両方の立場の人が存在して成り立つものですが、多くの人が両方の立場を経験します。介護は各々の生活への影響(例えば、時間・お金・ストレス・健康・人間関係・その他)は非常に大きいものです。そこで、高齢者を支える生活そして自分が高齢者となった時の生活というものについて、ひとりひとりが地域社会での生活に目を向けるとともに、自分自身の将来の生活や健康について考えるにはどうしていくのがよいのかを提起し、今後の自治体の取り組みや社会の在り方を問うて行きたいと考えています。

学生について About a student

学生たちの様子、本学のいいところ

現場を経験すると、
学生の目の色が変わります

大学生生活を謳歌している学生も、病院実習での経験を重ねると、言動や立ち振る舞いが明らかに変わり、少しずつ医療に携わるという自覚が生まれ、その成長ぶりは目を見張るものがあります。専門課程が中心になると、講義・演習・実習の生活は正直ハードですが、全員で乗り切っていくという一致団結の感覚は強くなると思います。小田原キャンパスは保健医療関係の学部学科のみですので、学校全体にまとまった雰囲気がありますね。互いに理解した上で部活動も行うので、勉強と部活動のバランスもとりやすいと思います。

講義内容は、社会でどんな役に立つのか

広く社会に働きかけて
病気になるリスクを減らすこと

私が担当しているのは、公衆衛生看護学領域の関連科目です。基本の考え方は「予防」です。看護職は、患者もしくは療養者を個別にケアすることが基本ですが、公衆衛生学を基盤とする公衆衛生看護学は、できるだけ「患者・療養者」となる前に広く社会に働きかけて病気になるリスクを減らすこと、もしくは悪化を防ぐことが基本の考え方です。法律に基づく社会システムとして、公衆衛生看護活動の機能を教えています。主に行政機関で働く看護職(保健師)が担う分野になりますが、医療現場で働く看護師であっても、自分のことも含めて患者が一般社会でどういった社会の仕組みによって健康が守られているのかを理解しておくことは重要です。何気に日々、安全に安心に暮らせるのは予防機能が社会で働いているからです。何より日本においては、医療制度そのものが公的に保障されているわけですから、自分達が働く医療現場の基盤である保健医療に関係する行政制度を広く理解しておくことは大切だと思います。

どんな学生にふさわしい大学か、
また、卒業生はどんな仕事に就いているか

医療職を育てる、
保健医療と福祉に特化した大学として

本学は、大学附属・関連機関として、数多くの病院・福祉施設があります。ゆえに、医療の中心となる病院での患者さんへの治療・回復だけに携わるのではなく、患者さんの社会復帰や生活面、そして人生の最期を看取る支援を含めた視点をもって学びたいと思う学生には、十分に期待に応える大学だと思います。
どうしても急性期の医療現場は、社会的に目立つことも多く、花形であることは否めませんが、病院で治療を受ける期間はその人の生活のほんの一部分に過ぎません。日々、進歩する医療技術のおかげで救命される人は増えましたが、全員が元の健康状態に戻れるわけではありません。時に障害が残ったり、治療を続けながら生活を送ることを余儀なくされる人々も大勢います。
だからこそ、治療のみならず、その人にとってより良い生活が送れるよう支援する保健・医療・福祉が連携することが必要ですが、そのためには各専門職が互いに理解し、互いの力を組み合わせていくスキルが、医療職には今後一層求められていると思います。
卒業生は、看護師として大学病院や専門病院、保健師として行政機関(保健所・保健センター)などで頑張っています。今年3月に卒業した学生達も、少し慣れつつも疲れも出てきている時かと思いますが、踏ん張れば大きく成長できる時期なので頑張ってほしいです。卒後数年経つと、在学中に養護教諭1種免許を取得した卒業生は、学校の養護教諭として働いたり、企業などの健康管理部門で保健師として働いたりと、次のキャリアを積む学生が出始めます。本学がトリプルライセンス(看護師・保健師・養護教諭1種免許)の取得が可能となっているゆえの特長だと思います。

メッセージ Message

高校生(受験生)へのメッセージ

大学入試は、皆さん方にとって目の前の一大事。大学入試に際しての「進路選択と大学選択」は、将来に大きく影響します。社会に一歩踏み出す前の大切な時期です。自分が何をしたいのか、どんな大学生活を送りたいのか、そして何を学びたいのかを考えてください。
特に、医療資格は、数ある医療系大学で取得することが可能ですが、知識や技術を得るだけでなく各医療専門職としてのアイデンティティーを身につける大切な4年間です。どこで誰と誰から学ぶのか。その環境選びが大学選びです。選び終わったら、後は勉強するのみ。精一杯頑張ったという確固たる実感が持てたら、得られた結果はどのようなものでも、皆さん方にとって大きな成長の糧になると思います。悔いの残らないよう頑張ってください。ご縁があればいつかお会いできるのを楽しみにしています。

小田原保健医療学部 看護学科
准教授
鳥本 靖子

所有資格:看護師・保健師
出身地:大阪 趣味:旅行 愛読書:失敗の本質

所有資格:看護師・保健師
出身地:大阪 趣味:旅行 愛読書:失敗の本質

休日の過ごし方

家族と過ごすようにしています。買い物、映画、旅行、運動も一緒に近所を走っています。

好きな言葉

「途中に居るから ちゅうぶらりん 底まで落ちて、地に足がつけば、本当に落ちつく」 相田みつを作です。
恩師から、卒業時に贈られた言葉です。社会に出て、問題に直面した時はとにかく悩み抜くことである。中途半端でやり切っていないから悩むのであって、自分が力を尽くしたと感じるところまでいきつけば、おのずと答えが見つかると恩師から言われました。

最近興味を持っていること

7歳になる猫を飼っているのですが、最近、同じく猫を飼っている友人が長生き猫との暮らし方について取材を受けて掲載された記事を読んで以来、シニア期が迫った愛猫のお世話について考えるようになりました。人間と同じく、猫の寿命も延びているらしく、以前は約10年だったのが今は約15年で、20年以上生きることも珍しくないそうです。野良猫だと約3~4年だというので、驚くべき数字ですよね。猫の寿命の研究によると今や30年(人間だと136歳)まで伸ばせるとか。ギネス記録は38年(人間の年齢で170歳ぐらい)だそうで、化け猫もびっくりの状況ですね。